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NHKがSMAP解散を事務所との問題として放送。番組で改めて考えるジャニーズ事務所との契約問題

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NHKが3月1日に放送した「クローズアップ現代+」では「芸能人が事務所をやめるとき~”契約解除”トラブルの背景を追う~」と題した特集を放送した。

主に女優の清水富美加が宗教法人である幸福の科学に出家し、芸能事務所レプロに契約解除を申し入れたことがトラブルになったことを特集したものだったが、なんとSMAPの解散をこの問題と同列に扱った。

さらには業界団体「音楽事業者協会(音事協)」が作成した統一契約書の問題に触れており、決して民放局では放送できないような内容が放送された。

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NHKが報じた芸能事務所とタレントの問題

芸能人と事務所の関係についてはSMAPやのんさんのケースなどが大きな関心を集めてきました。

番組冒頭にいきなり、SMAPの名前が登場し、SMAPのイラストが背景に登場した。

民放各局やスポーツ紙ではSMAP解散を報じたとしてもメンバーの不仲説があっても、ジャニーズ事務所との問題と報じるところは無かった。清水富美加や能年玲奈(事務所退所により”のん”に改名)と同列にSMAPを扱うことに驚く視聴者も多かったようだ。

たびたび取り沙汰される”独立”をめぐる問題として、清水富美加のケースを例に取り上げて番組は進行。具体的なSMAPの事例は出てこなかったものの、近いうちにジャニーズ事務所をSMAPのメンバーが退所すると言われているが、契約としてどうなるのだろうか?

ちなみにSMAPメンバーとジャニーズ事務所の契約は9月までで、3ヶ月前の6月には更新の意思表示をしないといけないと言われている。ただその契約はあくまでもSMAPとしてのものであり、既にメンバー個人とジャニーズ事務所の契約のみで更新月がバラバラだという情報もあり、契約更新月がハッキリとはわからない状況だ。

とはいえ先日週刊実話は中居正広の独立が3月末に決まったと断定的に報じており、契約解除問題は迫ってきている。

SMAPがジャニーズ事務所に契約解除の申し入れをしたら?

清水富美加は「仕事の内容」「体調不良」を理由に契約解除を求めたが、事務所は「本人の意思を確認しながらやってきた」と言い、一方的な契約解除だとして認めていない。

ここで争点となるのは「芸能人は労働者か」どうか。

一般的な会社員は会社と「雇用契約」を結び、会社の指揮命令の下で「労働者」として働く。そして民法上、やむを得ない理由があれば契約を解除できる。

一方、芸能人はどういう契約なのか?

契約関係なので事務所によってバラバラだと思われがちだが、業界団体である音事協が作成した統一契約書と呼ばれるひな型には「芸能人と事務所は、互いに台頭独立の当事者」であると記載されていた。

音事協によると両者は支配・従属する雇用関係ではなく、業務提携契約であるとしている。ジャニーズ事務所は大手芸能事務所にしては珍しくこの音事協に加盟していないが、似たようなものだと推測される。

この統一契約書でタレントにとってきつい契約条件は、契約解除の場合「事前に書面による承諾を得なければならない」と記されているところ。タレントがやめたいと言っても実質的に一定期間契約を延長できる権利が認められている。音事協によると映画の撮影やコンサートなど、芸能の仕事は関係者が多数に渡り、仕事を完遂しないと迷惑がかかるため、こういった規定が設けられているという。

しかし長年この契約慣習が続いてきた芸能界において昨年大きな変化の兆しがあった。大手メディアではあまり報じられていないが、SMAP解散が迫っていた2016年11月に厚生労働省が音事協などの芸能団体に「芸能人も労働者として扱い、雇用契約と見なすこともありえる」という認識を示した文書を送付していた。

SMAPファンは厚生労働省にも多いはず。とはいえSMAPメンバーの事務所退所を見越して出した文書ではないだろうが、これまでの体裁を覆し実質に即した形で判断していくという意志表示となっている。

法律の専門家も芸能界には「寮生活」や「給料制」など仕事が選べないケースもあり、契約内容に関わらず労働者という判断も成り立つと指摘していた。

SMAPの場合、ジャニーズ事務所としては珍しく飯島元マネージャーの体制下で歩合制になっていた。飯島氏が退所し、ジュリー体制下では給料制になるかもしれないと報じられたこともあったが、契約条件は基本的に変わっていないだろう。

個々のメンバーの独立した意志がどこまで認められているかどうかも争点になるが、そもそも飯島氏のいないジャニーズ事務所とどこまでコミュニケーションが取れているかすら疑問だ。

ただSMAPメンバーと事務所は雇用契約ではなく、業務提携契約のようなものだとしたら、SMAPのメンバーが辞めると言えば辞めることができるのではなく、やはり事務所が承諾する必要があるだろう。

とはいえ、「SMAPには出ていってもらう」と言っていた事務所だけに、問題はその後の圧力が争点であり、契約解除問題は当てはまらないだろう。

芸能人への投資を回収したい

番組では一方的な契約解除に反対する意見として「芸能人への投資を回収したい」という芸能事務所側の意見も紹介した。爆笑問題の太田光の妻で芸能事務所「タイタン」の社長でもある太田光代が番組に出演し「能力を伸ばすためにレッスンをしたり、お金をかけるというと言い方はよくないが、売れる前の努力をする。(一般的な雇用契約を)当てはめてもらっても困る」とコメントした。

デビューしてからオリコン1位を獲得するまでに長い年月を要したSMAPにはしばらく赤字の期間もあっただろう。

しかし国民的アイドルグループとなったSMAPの投資はとっくに回収し、少なく見積もっても数百億円規模の利益がジャニーズ事務所にも入っている状態。この論点はSMAPには当てはまらないだろう。

芸能事務所の契約を見直す時期

番組では清水富美加の父親がNHK「クローズアップ現代+」の取材にコメントで応じた。

一連の報道について「自分ばかりが悪いように一方的に報じられていることに、強い衝撃を受けていました。ドクターストップがかかってしまったのが事実なのに、それがまったく考慮されない報道は、不公平ですし、一方的に娘だけが批判されるのは、本当にかわいそうだと思います」と文書で答えている。

さらにナレーションでは流れなかったが文面には「2010年頃から自傷行為がありました。特に激しくなったのは2015年頃からだったと思います」と記されていた。

ほとんどの清水富美加に関する報道では「既に入っている仕事をやり遂げろ」という事務所の立場を支持する意見が目立っているが、確かにドクターストップで仕事をできなくなったことについてはほとんど触れられていない。SMAP解散騒動で昨年ファンは嫌というほど知っているだろうが、これも情報統制の怖さだろうか。

清水富美加が「仕事を投げ出した」「無責任だ」という論調が最も多いが、責任を背負い込んで会社の退社を選べず自殺を選んだ電通の新入社員高橋まつりさんの件もあっただけに難しい問題だ。

「投資回収のため」「専属契約だから」といったこれまでの芸能界の常識は、タレントを商品として捉えており人として見ていないことが多い。

SMAPだけでなく、能年玲奈や清水富美加、成宮寛貴などタレントと芸能事務所の問題がクローズアップされることが多くなってきたが、一般社会とギャップが広がってきた芸能界もその慣習を見直す時期に来ているのだろう。

今回のNHKの放送は比較的事務所側に寄らずに客観的な内容だったが、公共放送だけに視聴者リクエストが毎月トップクラスの「プロフェッショナル仕事の流儀 SMAP編」を再放送してもらいたいものだ。

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